「………えっ…?」


思考が停止する。


「………………」


「…み、みく!ちょっと!何か言わないと!」

叶絵がフォローに入る。



「あっ…えと…」

シドロモドロになる私。


だって、今までこの16年間、告白なんてされたことがない。


いきなりすぎて、言葉が見つからない。


しかも目の前にいるのは、ただの男の子じゃなく、うちの高校の王子様。


好きという訳ではなかったが、かっこいいなー…と思うだけの、遠くで見ているだけの存在だった。


信じられない。



何?何?遊び?



すると、降矢君が口を開いた。

「突然だからびっくりさせちゃったよね…、ごめんね」



降矢君のかっこいい声が私を更に刺激し、顔がどんどん熱を帯びるのが分かる。



やばい恥ずかしい…!この顔見せられない!



叶絵が私の代わりに答える。

「いや!ぜんっぜん!!そうだみく!携番交換したら!?返事が今すぐできないならさ!」


「あっ、う、うん…!」


叶絵の提案で、カバンから携帯を取り出す。


「降矢君ごめんね、携番教えてもらってもいい?」


「あ、うん!」


降矢君もあたふたしながら叶絵に言われた通り、制服のズボンのポケットから携帯電話を取り出した。



「俺の番号は―――――。」


「はっはい!」


私の電話帳に、降矢君の番号が登録された。


「じゃあ、あとで返事聞かせてね」



「あ、うん…!分かった」



「じゃあ、またね」


そう言って、降矢君は本屋から出て行った。



心臓が飛び出しそう…。



叶絵がいてくれて助かった。


叶絵がいてくれなかったら、私どうなっていただろう。



降矢君が去ったことで緊張が段々とほぐれていき、叶絵の腕に抱きついて顔をうずめた。