カンザキ セリカってフルネーム呼び……。


セリカさんが先輩を。


どうして、どうして、この日に?




「どうして、今日……」




ポロッと零れてしまった言葉を撤回することは難しくて、私はアワアワと慌てると、瀬戸川先輩が教えてくれた。




「今日、実は慎助の誕生日なんだ。多分、神崎 芹香はそれを狙ってきたんだと思う」




先輩の誕生日……?


そんなの、私知らないよ。先輩は、朝、私の誕生日を祝いたいと言った。


そういった先輩も、誕生日が今日だなんて、聞いてないよ……。




「そうだったんですか……」




「うん。あの、優茉ちゃんにこんなことを言うのはおかしいと思ってるんだけど……」




瀬戸川先輩は次の言葉を躊躇いながらも、言うと決意した。


何を言われるのか。


心臓がバクバクする。瀬戸川先輩ってどこか大人びていて、緊張する。




「神崎 芹香から慎助を救ってほしい」




救う……?


先輩を?なぜ?


はてなマークが大量に頭に現れる。多すぎてパンクしそうなくらいに。




「ど、どうしてですか?救うってなんですか?」