そこにいたのは、瀬戸川先輩。


瀬戸川先輩もC組だったのか!


安心したぁ……。




「大丈夫です、瀬戸川先輩」




良かった、の後に、このチャラい先輩を見てから「こいつ馬鹿だから、人の気持ちとかほったらかしなの。ごめんね」と、親のように謝ってきた。


亮太、と呼ばれた先輩は何だと!?と子供のように返していたが、瀬戸川先輩はそれをフル無視した。




「……もしかして、というか、もしかしなくとも慎助のことだよね」




「えっ、そうなの?この子も慎助のファンなのー?」




ちょっぴり残念そうにいう亮太先輩を手で追い払って、私と瀬戸川先輩は廊下に出た。




「慎助、優茉ちゃんとなにか約束してたのかな?あいつ、朝から浮かれてたから」




浮かれてたって……。感情を表に出しすぎではないかな、先輩。




「はい。一緒に帰る約束を……」




「そう。……慎助なんだけど、連れていかれたんだ、女の人に」




〝連れていかれたんだ、女の人に〟


その女の人って、もしかして……。




「セリカ……さん?」




「あれ、優茉ちゃん知ってるんだ?そう、神崎 芹香がSHR後に教室に来て慎助を連れ出したんだよ」