でも、あの先輩のことだから、時間を守らないとか約束を破るとかそんな真似はしないだろうし。


んもう!三十分待っても来ないんなら、私が行ってやる!


私は教室のドアをスパーン!と綺麗に開け、廊下をずんずんと歩く。


教室からは赤坂さん!?と驚く声が聞こえてくるが無視だ。


先輩のところに行かなくては。


先輩が……先輩が祝ってくれるって言ってくれたから行くんだから。


そう思いながら歩き、三年生の教室についた。


先輩のクラスはモテモテだから噂で流れてくる。


三年C組だと全然知らない子が言ってた。


私って、全然先輩のこと知らないな……。




「あっれー?君、見ない顔だね。いつものファンクラブの子じゃないじゃーん」




「あっ、えっ……と」




勇気を振り絞って、三年の教室のドアから顔を出すと、全然知らない三年の先輩が私を見て話しかけてきた。


チャラい、チャラいよ……!




「怖がってる、やめてあげて、亮太(リョウタ)」




この声は……!




「え?怖がってんの?悪ぃ、俺、気づいてなかった」




「亮太は本当にすぐに女の子に声かけるね。大丈夫?優茉ちゃん」