あっ、って思って私は颯ちゃんから目が離せそうになくって……だけど、颯ちゃんは違った。
あっさり目を逸らして、手に持ってるコロッケパンに視線を向けた。
……気の、せい?
目があったと思ったけど、それはただの気のせいだったのかもしれない。自意識過剰はなかなか直らないものなんだな、ってそう思って私は自分を律した。
颯ちゃんが食堂の外にいるせいで、いつもなら中が混んでるのに、今回は食堂の周りが女子でいっぱいだった。
その中に埋もれるようにしている、私。颯ちゃんがわざわざ私を見つけるわけもないし、ましてや探すわけもない。
最後はあんな風に幻滅されてしまったのだから……。
「かすみー、何買うの? 外で食べるんだったら早く買わないと売り切れるっしょ? それでなくても今日は表で食べる人が多いんだし」
「ああ、うん……」
パンが売り切れる前に買わなくちゃ。そう思ってりょうちんと食堂内に入ろうとした、その時だった。
「あっれー、またその子? なんでその子だけ2ターン目なわけ?」
嫌味ったらしく、でもきっぱりと周りの聴取にも聞こえるような声でそう言ったのは、思った通りの人物ーー颯ちゃんの元カノの先輩だった。
あっさり目を逸らして、手に持ってるコロッケパンに視線を向けた。
……気の、せい?
目があったと思ったけど、それはただの気のせいだったのかもしれない。自意識過剰はなかなか直らないものなんだな、ってそう思って私は自分を律した。
颯ちゃんが食堂の外にいるせいで、いつもなら中が混んでるのに、今回は食堂の周りが女子でいっぱいだった。
その中に埋もれるようにしている、私。颯ちゃんがわざわざ私を見つけるわけもないし、ましてや探すわけもない。
最後はあんな風に幻滅されてしまったのだから……。
「かすみー、何買うの? 外で食べるんだったら早く買わないと売り切れるっしょ? それでなくても今日は表で食べる人が多いんだし」
「ああ、うん……」
パンが売り切れる前に買わなくちゃ。そう思ってりょうちんと食堂内に入ろうとした、その時だった。
「あっれー、またその子? なんでその子だけ2ターン目なわけ?」
嫌味ったらしく、でもきっぱりと周りの聴取にも聞こえるような声でそう言ったのは、思った通りの人物ーー颯ちゃんの元カノの先輩だった。