私は思わずポケットからケータイを取り出し、電源を入れた。

すると着信とメッセージのアイコンにたくさんポップアップのマークが付いて、それを端から開いていく。

着信はりょうちんから。メッセージもほとんどりょうちんからと、あとは登録しているサイトの広告だった。

その中に颯ちゃんからのメッセージは一つもなかった。


分かっていた事なのに、再確認してみると思ってた以上に凹む。


バチが当たったんだ。ぜーんぶ隠して颯ちゃんのそばにいたから。その上たくさん期待して、颯ちゃんの隣に食らいつこうとさえしちゃったから。

落ち込む私の気持ちをよそに、授業開始のチャイムが鳴り響いた。


「かすみ、とにかく後で話聞かせてよ。ずっと気になって仕方なかったんだからね」


そう言って、りょうちんは自席に戻っていった。


私は1時間目の授業が何だったのか終わった後もわからないまま、あっという間に、気づけば休憩時間になっていた。