「雨宮くんは、お家こっち側なんだね」

「まぁ…」

「遠いの?」

「別に…」

「中学は、どこだったの?」

「…桜第2」

「そうなんだ!私、桜第3なの」

「…へぇ」

「あ。勉強得意?」

「…別に」

「そっかぁ。私は、勉強苦手なの」


私が質問して、雨宮くんが答えます。

返事は素っ気ない気もするし、雨宮くんから質問はされません。

…けど、不思議とこんな会話でも楽しいと思えるのです。

隣から見ていただけの彼を、少しずつ知っていくからです。


何故知りたいと思うのかは、わからないけれど…