「じゃあ、帰ろ」


雨宮くんは、さっさとカバンを肩に掛けて、歩き出します。


「え、あの…?」


話しかけながら、慌てて、残りの教材をリュックに詰めるしかありません。


「…さっき、はいって言った…だろ…?」


不思議そうに教室の入口の扉を開きながらこちらを振り向く雨宮くん。



…た、確かに言いました。

……けど、あれは…


驚いて出ただけの言葉で、肯定って意味は無いんです…!!


「…違った…?」


…けど、せっかく雨宮くんが話しかけてくれたのです…
あの雨宮くんが…です。


「…ち、違くないです」


「そう」