お肉にお野菜、納豆と卵と…今日はお米も買わないといけないんだった。




さすがに10キロは歩いて持って帰れないので、5キロにしよう。





「よ、いしょ…っ」




積まれているお米の一番上から一袋下ろそうとするも、意外と重くてバランスを崩す。




しまった。自分の筋力のなさを舐めていた。




どこかに手をつこうにも、周りには商品が沢山あってとっさに判断ができない。




でもやばい、と目をつむった時、後ろから誰かに支えられ、何とか倒れずにすんだ私。




「あの、ありがとうございま…」




「…どういたしまして」




振り返ってお礼を言おうと顔を上げると、そこには私を見下げる切れ長の目。




「っ、雨宮さんどうしてこんなところにっ…!」



「おい、声がでかい」




静かにしろ、と人差し指を口に当てて周りを気にする姿にはっとして口をつぐむ。





「どうせお前のことだ。スーパーにでも寄って帰るんだろうと思ってな」




頭に乗せていたサングラスをかけ直した雨宮さんは私の手からお米を拐い肩に担ぐと、そのまま買い物かごまで持って行ってしまう。




「だめです!私が持ちます!」



「あ?なんだ鬱陶しい」



「だって、病み上がりですしっ」




「いい。お前よりは、幾分か軽い」




「え」