「ははっ、彩羽ちゃん体力なさすぎ!息切れしてるし」
「っ、ひどいです!こんないきなり!!」
せっかく雨宮さんが連れてきてくれたのに、こんな形で抜け出すみたいなことになってしまった。
声もかけず、撮影の感想も言えずに、こんなのってないよ。
ギロリと柏木くんを睨みつけると、それでも眩しいくらいの笑顔を貼り付ける綺麗な顔。
「だって、彩羽ちゃんが辛そうな顔するからじゃん」
「…私、そんな顔してません」
「そう?でも俺にはそういう顔に見えたよ」
どこからか取り出したキャップとサングラスを身につけて再び歩き出す柏木くん。
「……つまんないんだよね」
「え?」
「雨宮さんなんかの、どこがいいわけ?」