"俺がみてやったんだ。絶対上手くいく。"
自分の事じゃないのに自信満々な顔してた雨宮さん。
社交辞令かもしれないけど見に行きたいと言ってくれた、優しさ。
私から頼んだわけじゃないのに付き合ってくれた練習。
思い出すと、胸がじんわりと熱を帯びる。
大丈夫、大丈夫。
私には天下の雨宮綾がついててくれてる、たぶん。
雨宮さんがきっと、遠くからあの有り余った自信を分けてくれる。
だから、大丈夫。
舞台袖から踏み出した1歩はきっと、とても大きい。
暗転した舞台の上で、私だけに降り注ぐスポットライト。
目もくらみそうなほど眩しいけど、ちゃんとやってみせます、私。
それで今日の夜いい報告ができるようにしたい。
成功したら雨宮さん、褒めてくれるかな?
もしもワガママをきいてくれるなら、鬱陶しいくらいに髪をかき回してほしい。
頑張ったなって、まるで初めてお手ができたわんちゃんみたいに褒めて欲しいです。
なんて言ったら、きっと笑われちゃうよね。
さっきまでの緊張が嘘みたいに順調に進んでいく舞台。
とりあえずはノーミス。
うまく出来てるかは分からないけど、頑張れてるとは思う。