「だって……」
先輩は更に顔を真っ赤にさせ、恥ずかしくなったのか俺の胸に顔を埋めた。
……か、か、か、可愛すぎる…
「せ、先輩……!?」
「だって……キ、スしたかったから……」
いやいやいや。
キスしたかったからって。
「キスは好きな人にするものだって、先輩言ってたの覚えていますか?」
「覚えてるもん」
恥ずかしさからか、声が少し震えている。
「じゃあ、どうして」
「ソラくんのバカっ」
「バ、バカ……!?」
どうして、今バカなんて言われないといけないのかさっぱり分からないんですが。
「ソラくんの事……好きになっちゃったんだよ」
へっ……??
今なんとおっしゃいました?
「だから、キス……したかったの……何回も言わせないでよ、バカ」
「ほ、本当!?先輩本当に!?」
俺は嬉しくなり何度も何度も先輩に尋ねる。
その度に、先輩はコクンと頷く。
「先輩……俺の好き、伝わってる?」
「うん」
「やっと伝わった……」
やばい、嬉しすぎて泣きそう。
「先輩キスしていい??」
「いいよ」
真っ赤にした顔でいつものように笑う先輩。
その姿は、今まで見てきたどの笑顔よりも1番好きだと思った。
想いが通じて初めてのキス。
それは、とびっきり甘いキス──
「ねぇ、先輩気付くの遅すぎ」
「そんなことないもん!」
「俺が何回先輩に好きって言ったと思ってるんですか?」
「えっ?さっきの1回じゃないの?」
「先輩のバーカ」
ま、可愛いから許しちゃうんだけどね。
【E.N.D】
こんにちは!初めまして!
渚月るいです。
この度は、
『先輩のバーカ』
を読んで下さりありがとうございます。
久しぶりの短編。
久しぶりのピンク。
とても楽しみながら書かせて頂きました。
少しでも、
皆様が楽しんで頂ける
ものとなっていれば幸いです。
では、
またどこかで
お会い出来たら光栄に思います。
この度は、
誠にありがとうございました!
渚月るい