怒られないのをいいことにあたしが怒ったら、さすがに眉間にシワが寄った。

でも、言わないあんたが悪いんだからね。


「…言いなさいよ、ちゃんと。あんたらしく、怒鳴り散らしてあたしに教えてよ」


この機会を逃したら聞けない気がして。
あの時、奏太が出て行った日、あたしの質問の答えを聞けるのは、きっと今しかない。


「なんであたしは、大好きなあんたにフラれなきゃいけなかったの」


きっかけはあたしの浮気かもしれないけど、奏太はそれには怒っていないみたいだった。

何か別の理由があって、それがとてつもなく嫌で、ペアのネックレスを投げつけた。

今だって、とんでもないミスをしたけど、それではない何か別のことに怒っていると言った。


それは一体なんなのか。
聞けるのは、今しかない。