私の両親はすぐに顔に出るから何を考えているのか、丸分かりだ。


今、山野さんのこと頭悪そうって思ったに違いない。


「どうせろくでもないこと吹き込んでんだろ。そこどけ、俺が話す」


仮の店長でもあるこの人にこんな言葉遣い。
クビにされちゃう。


「お前、いいのか?そんな口で」

案の定、ヤクザさんみたいな顔に変化してしまった。


「携帯を仕切ってんのは俺だ。
よく知りもしない人を印象だけで貶すな」


「ただのリーダーの首なんて簡単に切れんだぞ」


「お好きにどうぞ?お前のせいでこの店は閉店だな」


どこまでも強気な山野さんに圧力をかける店長代理。

それを唖然と見ているお母さん。
何この絵、笑える。



「寺内さん、そちらは?」

痺れを切らしたお父さんがイライラした様子で指差した。


「すみません、携帯の使えないリーダーです。当店ではこいつが1番使えないんですよ」


ハハッと何も楽しくないのに笑うのは何故だろう。


「お名前は?」


全身を舐め回すように見たお父さん。
ほんと、やめて?


「山野です。荒木結さんと同じ部署で仕事をさせてもらってます」


「へぇ、あなたがいれば、もっと結の働きぶりが聞けるんですね?」


「ええ、たくさんお話しいたしましょう」




こうして5人での質疑応答が始まった。