あっという間に、別れてから1ヶ月が経ってしまった。

あんなにあっさり終わってしまったからなんとなく味気なくて、すぐ戻るかな、なんて期待していたんだけど。


あたしの罪は相当重かったみたい。
でも、あの時の答えはまだ聞けてなくて。

なんであそこまで怒ったのかは未だ不明のまま。


単純に汚いと思ったのかもしれないけど、あれが初めてではないっていうのがひっかかってスッキリしない。
本当になんだったの。






残業中、売り場が離れていたつり目があたしのところに来た。
そういえば、事故を起こして腕を骨折してから全然話してなかったな。
暇なんだろうか。暇なら帰るけど。



「山ちゃんのこと、本当にいいの?」


「へ?」


急にどうしたの?
久々に話すことがそれ?
いや、あたしも今考えてたけどさ。


「もう1ヶ月でしょ。仲直りしなよ」


いや、仲直りって。
振られたんだって。


「無理だよ。謝っても怒るんだもん」


「みんな言わないけど、結構気にしてるよ?ゆーちゃんとか、特に」


キーッとつったつり目でこんなこと言うって、かなりギャップ。
そこがいいとこなんだけどさ。


「…話そうとするだけで避けるんだよ?どう考えたって無理。頑固だし」


「まぁ、りんが戻りたいって思ってないならいいけどさ。自分の気持ちには正直でいた方がいいと思うぞ〜」


戻りたくないわけじゃない。
戻らないと分かっているから何もしないだけ。



これ以上嫌われたくないから。