「か、可愛いけど私はこっちの方が好きかな〜」


今私、すごい速さで周りを見たよ。
近くで1番安そうなやつを1秒で見つけた。

私すごい。


「ほんとに?なんか結っぽくない」


急いで見つけたのはそれでも12,000円の物で、もしかしたら勘付かれたかもしれない。


「わ、私っぽいってどんなのかな〜?あはは」


「じゃあこれは?」


次に航が指差したのはこれまた40,000円の物。

なぜそう高額の物ばかりを…。


「えっと、じゃあこっちがいい」


私が見つけたのはさっきよりも安い9,800円の指輪。

うん、これくらいがいいよ。
ギリギリ1万円切ったからね。


「結〜。さっきからわざと安いの選んでない?」


ギクッ


ば、バレてる。


「え…だって、航が選ぶ物高いんだもん…」


「値段より可愛さ重視でしょ。ずっと付けるものなんだから」


サラっとすごいことを言ってしまう彼には敵わない…。


クレジットカードで買おう…。


「で、どれがいい?」


……。



「……これ可愛い…」



「俺に合わせてない?平気?」


さっきの38,000円の指輪を指差したら勘ぐってきた。

合わせてないよ、ダントツで可愛い。


「うん、これがいい」