side 結


買い物がスタートして1時間弱、すでに航の手には6袋もぶら下がっていた。


ここらで一旦…。


「航もどっか見たいとこあったでしょ?そこ行こうよ」


さすがに退屈してると思ったんだけど…。


「ん?特にないから続けて。行きたいとこあったら勝手に行くから大丈夫だよ」


んもう。
どこまで優しいの。


じゃあお言葉に甘えて…。


「ここ見ていい?」


「どうぞ」



次に入ったのはピアスとか小物系を売ってるお店。


可愛いピアスがあったらほしいんだけど、、
なんかイメージと違うかな。


「いいや、他行こう」


「ねぇ結〜」


「ん?なに?」


お店を出たら引き止められた。


「その〜結はさ、ペア物とか興味ある?」


なんか言いにくそうに言うけど、ペア物ってなんだろう。
くっつけると形ができるとかそういうもの?


「なんか可愛いのあったの?」


今のお店になんかあったのかと思って戻ろうとしたら止められた。


「ほら、ペアリングとか、ペアネックレスとか、あるじゃん」


……………。


ペアリングとか。


ペアネックレスとか。


「興味ありまくりだよ!欲しい!見たい!航と同じもの付けたい!!」


勢いに任せて言ったら少し引いてたかもだけど、優しく笑ってくれた。


「じゃあ上行ってみよ。そういうお店多そうだから」


全力で頷いてエスカレーターに乗った。