「結さー、服ないよね」



ベッドの上で座る私を、ベッドの端に頬杖付いている航が見上げる。


上目遣いっていうんですかね、すっごく可愛くて女の私が悲しくなるからやめてください。


「そうそう。この辺可愛いお店ないかな?」


「ちょっと遠いけどショッピングモールならあるよ」


ショッピングモールかぁ。
久々にドンと買い物したいけど、連れ回しちゃ悪いよね。


「次の休み行ってこようかな」


「1人で?」


「え?うん」


「なんで?ショッピングデートしようよ」


「だって、私の服買いに行くのに退屈じゃない?」


「全然?むしろ超楽しそうじゃん」


どこに楽しそうなポイントがあるの?


「じゃ、決まりね。親の車借りて行くから実家まで歩くけど、平気?」


えっ、車?
免許持ってるの?


「え、うん、全然平気。だけど借りちゃって大丈夫なの?」


「出かける予定ないらしいから大丈夫。何気にちゃんと出かけるの初めてだよね」


ニコニコ楽しそうに笑うから、私までウキウキする。

初デート…的な?


やば、緊張してきた。