事が済んで,ぐったりしたナッちゃんを腕に抱えて力を抜いた。
「ナッちゃんエロすぎ…いつもこんななの?」
「……」
ちらりと顔を見れば閉じていた目が開いた。あれ?寝てた?ごめん…
「…初めてだから,知らない」
「ん?」
初めて?何が?ひどくされたのが?それともこんなに感じまくったのが?
「何が初めて?」
「ぜんぶ」
全部?全部初めて?え,待って
「まさか処女!?」
「……だったらなに」
「嘘でしょ!あんなに乱れてたのに!?」
「ほんとだけど」
なにこの子怖い!処女なのにあんなにエロく「酷くして」とか言っちゃったの!?将来が心配なんだけど!
「疲れたから,寝ていい?あと頼んでい?」
「…いいよ,おやすみ」
体温の高い彼女は,寝息も立てずに静かに眠った。えーまじか,どうりでキツかったわけだよ…。とんでもない魅力を次から次へと出してくる彼女のことが気になってしょうがなくなった。

連絡先の交換を渋るナッちゃんと無理やり交換した。絶対1回限りにはしたくない。普段クラブで出会うような軽い女の子たちとは違う。いや,ある意味あれより刺激的だけど…
それからちょくちょく連絡してみたりしたけど,返事が返ってくるのは3回に1回くらい。嫌われてんのかなあ。でも返ってくる返事は一応普通な感じだ。ぶっきらぼうでもなく,会話が続くときは2,3日続いたりもする。テキトーに送った内容には返事がない傾向。スタンプとかも一切来ないし,1回キラキラに絵文字使いまくって連絡したら「読みにくい」とだけ返ってきた。ナッちゃんの困った顔が想像できる。カワイイだろうな。
休日に何してんのか聞いていたらバイトって言ってた。友達と遊びに行くのは平日が多いらしい。いいなあ学生,もう授業もあんまりなかったりすんのかな。遊びに行こうよと誘ってみたけど「土日はバイトだから無理」と取り付く島もない返事が来た。ううん…なかなか厳しい。
ナッちゃんと再会することがないままアレから1カ月がたった。