「チェリーボーイ! 昼飯食べに行こー」
「お前来んのはえーよ。まだ、黒板写しきれてないからちょっと待っとけ」

そう言うと、また真剣にノートと向き合った。
チェリーボーイ……は、友達だ。
チェリーボーイっていうのはあだ名だからねー。

「待たせたな! 」
「うん、待った。女の子を5分待たせるとかサイテー」

お前女子なのかよ、とか笑いながら言ってるけどほんと失礼しちゃう!
私だって、至って普通の女の子だもんねー。

「ほれ、そうカッカしてないでさっさと屋上行くぞ」
「誰のせいだと思ってんのよ! もう」

屋上は私達2人のお昼休憩所。
ここで、毎日のように楽しくおしゃべりしながら食べている。

「2人とも、ほんと仲良いねぇ。それで付き合ってないとか不思議すぎる」

友達がこんなことを言ってくることもしばしば。

「はぁ? 俺が? こいつと? ないない。だって、チェリーガールとは友達だもん」

毎回、笑顔でそう返答するチェリーボーイ。








その度に、私は少しだけ悲しくなる。