「ていうかさ、いつから好きだったの? 私のこと」
「いつから……」
 
真剣に考え込み始めた相良くんに、私は「もういいよ」と言うと、
「うなじが」
と話し出す。

うなじ? なんの話が始まったんだ?

「髪を括った時のうなじがさ、よくて」
「変態?」
「いや……それで、そこの窓で弓道場を見てる時の首が、本当にきれいで」
「だから、変態なの?」
「ちょっと黙れ、こら」
 
今度は肩で小突かれる。

「でも、園宮だっけ? あいつを見てるんだって思ってたら、噛みつきたくなって」
「どこに?」
「うなじに」
「ほら、変態じゃん」
「もういい、お前」