「ううっっ。っく、うううっ。」


どうすればいい?


涙が、止まらない。


「ひなたー?
ちょっと!!なにやってるの!!」


「うわ、ひまりだ。帰るぞ。」


駆け寄って来るひまりを見て、僕を囲んでいた男の子たちが一斉に走り去っていく。


君は心配そうに僕の顔を覗き込んで、僕の頬の涙を拭った。


「どうしたの?

また、なんか言われた?」


僕は目をそらして、静かに首を横に振った。


「そっか。


待たせてごめんね。


帰ろっか。」


ひまりが立ち上がって歩き始めた。


ふいに、消えた君の温もりが僕の不安を掻き立てる。


なぜか、君がぼくの前からいなくなってしまう気がしたんだ。


そう思ったら、どうしようもなく不安になって、気がつけば君の手を掴んでいた。