「真子が追いかけてくるのが分かったから掃除用具入れの扉に隠れてたの。まさかそんなに驚くなんて思わなかったな」

涼しそうに言うセイラの口調はあたしの怒りに油を注ぐ。

「セイラ……アンタねぇ……」

「なに?言いたいことがあるなら全部言ってよ」

腕を組んで首を傾げるセイラの高圧的な態度。

「へぇ……。それがセイラの本当の姿だったんだ?」

「本当の姿って?」

「いつも弱い振りして良い子ぶってさ。あたしがハルト好きなの知ってて告白したんでしょ?こっちだって何も知らないと思ったら大間違いだから」

「知らなかったよ、最初は。真子が彼を好きだったなんて。それに自分で好きじゃないって言ったんじゃない」

「クラスのみんなの前で公開告白なんてできるわけないでしょ?それを分かってて色々聞いたんでしょ?セイラって腹黒すぎ。もっと早く気付くべきだった」

セイラは黙っている。