「ありえないんだけど……」

3つ目の個室にもセイラはいなかった。

一体どこに消えたの……?

ハァッと大きなため息をついた瞬間、「真子」と肩を叩かれた。

「いやぁあぁあ!!!」

全身の毛という毛が逆立ち、ビクッと体を震わせる。

慌てて振り返った視線の先にいたのは、セイラだった。

「そんなに驚いてどうしたの?」

クスッと笑うセイラに一瞬にして怒りが沸き上がる。

「どうしたの、じゃないでしょ!?驚かさないでよ!!」

心の底からの怒りをセイラにぶつけると、それでもセイラは笑みを崩さぬまま続けた。