「っ……痛い……頭が……頭が痛い……」

すると突然、セイラが頭を抱えて苦しみ始めた。

「……ハァ~?今度は仮病?ちょっと、真子もこっち来てなんとか言ってやってよ~!」

やれやれと呆れたように首をすくめる蘭の元へ歩み寄る。

「頭が痛いの……助けて……。お願い、真子……」

セイラの顔は真っ青だった。苦しそうに肩で息をしながら必死にあたしに向かって手を伸ばすセイラ。

なによ。こんなときだけ頼られたって困るし。

あたしに挑発的な言動をとっておきながら、弱ってるときだけ頼るなんてバカにしすぎだから。

「真子、助けてだってぇ~!どうすんの~?」

煽るような口調の蘭。周りのクラスメイト達もあたしの動向に注目している。

今、あたしがやるべきことは一つだけ。

「なに?マジでウザいから」

あたしは必死に助けを求めているセイラの手をはたき落とした。