女子しかいない教室内。

男子は校庭のトラックを20分間走り続ける体力強化週間でいなかった。

「……ひどい……」

登校してすぐ机の上に書かれた【死ね!】というマジックの落書きに気付いたセイラはその場で泣き崩れた。

床にペタンっと座り込み、涙を拭うセイラをクラスの女子たちは冷ややかな目で見つめる。


「ハァ~?ひどいのは誰よ?」

「ウソ泣きとかありえないんだけど」

あちこちからあがるセイラを非難する声。

「どうして……?私が……何かしたって言うの?」

顔を持ち上げたセイラの目は真っ赤だった。

「ハァ?何言ってんの?そんなの自分自身が一番よく分かってんでしょ~?」

蘭はツカツカとセイラの元へ歩み寄ると、

「お前、マジでうざいから」

そう言ってセイラの頬をはたいた。

パチンっという乾いた音。セイラは恐怖におののいた表情を浮かべる。

「死ねよ、マジでお前」

蘭の言葉にセイラが顔を歪める。