華「あたしが泣いている理由は・・・、



ただの恋だよ。


好きになるってことはたくさんあった。
でもね、あたし、今までちゃんとした恋ってものを経験したことがなかったの。」



「?」



華「恋に没頭なんかするわけないって思ってた。

なんだけど、好きなひとを思うと胸が苦しい。
いくら、誰よりもその人のことを好きでも伝わらないんだもん。
その人は、ほかの子しか見てないの。」



「・・・」



華「だから、忘れようとした。こともあった。
でも、恋ってそんな簡単なものじゃない。

忘れるどころか、見るたびに好きになっていって、
みるたびに涙があふれる。
きりがないんだよ。」



「・・・」



華「だから、みんな言うんだよ。
魔法が使えるなら、あなたを忘れるのにって。

いくら一途に思っても、叶わないんだよ。」



「・・・」