それからは歌どころじゃなかった。
もらったジュースはとっても美味しく感じて、
魔法のようだった。

「綺麗な声だね。」

私は何度も復唱した。
嬉しかった。純粋にうれしかった。
声を褒められた事は無かったからだった。
綺麗な声だね。
1人にでもそう思われているなら私は歌おう。
例えお世辞でもそう言ってくれる事が嬉しい。