北は番地ごとに分かれており、西から1番地2番地…と。もっとも東にいくと8番地まである。1番地から8番地は結構な距離なので北だからといって顔見知りとは限らない。

私立に通うお金を全て私の習い事につぎ込んだ両親は私を公立中学に進学させた。
公立の派閥は恐ろしく最初北に住む生徒は必ずと言っていいほど嫌煙される。
ああ、北の子?頭いいし可愛いよね。お金持ちだしなんでも持ってるよね。
そう陰で言われるがその中にはどこか小馬鹿にしたようなニュアンスが入る。
北の子は言われる通り大概の事はできる。
その上、皆ひとつ武器がある。
私であれば、音楽。エリであれば生粋のお金持ちでロシアとのクオーターである事。
乗馬が出来る子、小さいころから留学を繰り返し英語がとびぬけて出来る子。
差が開きすぎた現状に南の子は群れる事で応戦しようとする。
俗に言うスクールカーストのような制度は南の子から持ち込まれたものだった。
北の子は基本帰る時も1人で帰れる。皆何かしら放課後用事があって、遊ぶ時も誰かの家。
南の子は反対だった。1人で帰る事は友達がいないのと同じ。放課後遊ばないのは嫌われている象徴だ、と。