「結良ちゃん、泣いてるの?」

「あっ……違う違う!目にごみ入っちゃったの。
ごめん、湯冷めしちゃいそうだからそろそろ中入るね」

そう言って二人を残して家に入り、客間に入る。

目にゴミが入っちゃった、なんて下手な言い訳、

実際に使う日が来ると思わなかった。

だけど、千紘の言葉にあんなに胸が痛くなって、

わけがわからないまま泣いてしまって。

今日はもう、なにも考えたくない……。

私はベッドに倒れ込むと、そのままゆっくりと目を閉じた。