そう言って微笑むと、

月明かりのせいか、千紘の頬が赤くなったように見えた。

「……親か、お前は」

「ふふっ、紗里さんと悠介さんみたいにはなれそうもないな」

クスクス笑っていると、千紘は呆れたような顔をしながらも穏やかな表情を見せてくれる。

そんな表情がなんだか珍しくて、

ついドキッとしてしまう。

「……。お前さ、前から思ってたけどすぐ顔赤くなるよな」

「えっ⁉︎ そ、そうかな」

「ん。ってかなんか耳まで赤くねぇ?熱でもあんのかよ」

そう言ってスッと私の額に手を伸ばしたかと思えば、

「っ……」

ひんやりとした千紘の手が私に触れて、

いつもより近くで見るその真剣な表情に

鼓動がまた高鳴っていく。