「なんで頷いてんのに入らねぇわけ?」

「だ、だって夜風が気持ちいいんだもん。ほら、今日晴れてるし」

「ふーん」

そう言いながら私の横に並ぶ千紘。

ドキン……ドキン……ドキン……

一定のリズムを刻む鼓動と、

吹き抜ける涼しい風が相まってなんだかすごく居心地がいい。

もう少し心地よい沈黙に浸っていたい気もするけど、

文化祭のこと話してしまおう。

「あ、あのさ」

「ん」

「今度ね、うちの学校で文化祭があるの。学校の子たちに千紘と、誠也くんと凛に来てもらいたいって言われたんだけど、来ない?」