ベランダの手すりにもたれかかってため息をついていると。

「おい、何してんだよ」

「!」

突然の声に振り返ると、

濡れた髪をタオルでわしゃわしゃと拭きながらこっちを見ている千紘。

な、なんだろう。

お風呂上がりって、なんか色気が……

って何言ってんの私!!

「湯冷めするぞ」

「あ……う、うん」

そう言いながらつい驚いてしまう。

前に誠也くんからも同じこと言われたような……。

やっぱり兄弟だな。