驚いた。


快斗はいつも周りに女の子を付けていてもおかしくないくらいの男前だから
勝手に今までもここに彼女さんとかを連れてきてたものだと思い込んでいたから。


「彼の家庭事情は聞いたかな?」


「えっと、本当についさっき聞きました。」


「ああ、それで泣きあとが。
喧嘩したには仲良すぎるしなんでだろうって気になってたんだよね。」


あっ、そっか。そりゃ一瞬で消えるわけないものね。


少しだけ気になって目の下を軽くこする。


「彼はああ見えて純粋で繊細でしょ?」


「はい。とても。」


「彼をよろしくね。
俺、君に賭けてみるよ。君ならきっと大丈夫な気がする。」

すると店長さんは真剣な顔に変えた。

まるでさっきのチャラそうな店長さんとは別の人のように。


絶対に聴き逃してはいけない。
そう言われているような気がして必死に聞き耳を立てる。

「彼は今進学のことで悩んでる。俺にしかバレてないみたいで問い詰めたら、人には話すなって言われて。一応認めてはくれたんだけどね。
君が話すの初めてだよ。なんだか頼りになりそうな気がする。」


そう言うと店長さんは優しく微笑んだ。


さっきから驚いてばかりだ。


快斗は進学のことを悩んでる?

なんで?もしかして、お金のことが関係してる?聞いてみようか。

できるだけ店長さんから聞いたとはバレないように。