「どこがいい?」


快斗に聞かれて店を見渡す。


お客さんはそれなりに入っていてカウンターはほとんど席がなかった。

「あっ、あそこでもいい?」


私が指差したのはベランダのテーブル。


今、話すには誰もいなかったし、
それに、カーテンもあって涼しげで綺麗なところだと感じて行ってみたいと思った。

「珍しいね。あそこを選ぶ人なんて滅多に居ないのに。
いいよ。あそこにしよう。
じゃあ頼んでから行こっか。」


2人揃ってメニューを見上げる。


メニューは入口のところにいくつか置いてあった。


「快斗のオススメってある?」


何故かとても自然に口から出た言葉だった。

「あるよ、えっとねー、あっ、あったあった。
これ、むっちゃオススメ。」


快斗が選んでくれたのはパンケーキ。


「ここのパンケーキはほかの店と一味違ってとても美味しいんだ。」


「じゃあアイスのカフェオレとそれほしいな。」


「店長、アイスコーヒーとアイスカフェオレとパンケーキ2つ頂戴。」


「はいよー、1400円ねーって言いたいんところだけど快斗だからパンケーキはサービスしてやろう。
ドリンクは合計600円ね。」


すると快斗は迷わず私の分の値段まで出して、私がなにか言うと分かったのかお金、要らないから、と、アイコンタクトで強く伝えられた。