「えっ?」

すると急に自分の頬に快斗の胸の体温とは違う生ぬるい暖かいものが頬を伝っていくのが分かった。


ほんとだ。私、泣いてる。


あまり、人の前で涙は流したことがないと思う。


だけど、。


「ごめんな。今日はやめとく?」

何回目か分からないくらい謝ってくれてる快斗にとても申し訳なくなる。


快斗が悪いんじゃないのに。


誰も悪いわけじゃないのに。


そう言いたいのに今すぐ口に出すことが出来なくてただただ首を振る。


「じゃあ行こっか。
もうすぐなんだ。」


そう言ってさっきよりもずっと強く手を握って、さっきは普通に繋いでゆでダコになっていたのに、今はすました顔をしていわゆる恋人つなぎをしてくれていた。