私が財布をカバンから取り出すと


｢いいよ、払うよ｡｣

といいながら本当にチケットを２枚分買う。


｢だっ、ダメだよ！｣


私は無理やり快斗にお金を渡そうとするけど快斗はそれを受け取ってくれない。


｢駄目、はこっちのセリフだよ。一応年上で男子なんだからさ、ちょっとくらいかっこ付けさせてよ｡｣

と言う快斗は少し切なく笑っていて、私はそれに逆らうことが出来なかった。






｢あぁ、面白かったね｡｣


元々の物語はあまり知らなかったけれどそれでも楽しめた。


｢そうだね、もうそろそろご飯にしたいと思うんだけどお腹すいてる？｣

｢うん、もう腹ぺこー｡｣


実はさっきから何度かお腹鳴ってるし。

鳴っちゃうたびに聞こえてないかハラハラしてるんだけどなにも笑わないし言わないからきっと聞こえてないのだろうと信じてるのだけど。