そう言い終わると、私は席を立った。


「聞いてくれて、謝罪させてくれてありがとう。」

そういって、笑顔を向ける。


そして、快斗とはもう関われないのかな、なんて思いながらさっき一緒に座ってたベンチからさっき歩いてきた道をたどって戻る。


しばらく歩いて
突然後ろにドンッという衝撃が走ったと思ったら手を回されてやっと自分が抱きしめられていることを自覚する。


「無理して笑うなよ。泣いてんじゃん。
俺が思い出さしちゃったんだよな。ごめん。
でも、やっぱり俺、杏奈が好き。
今まで告白されても恋愛なんて分からなくて全部断ってきて、自分には程遠いと思ってたのが杏奈に出会って初めてそれが覆されたんだ。
俺は嘘なんかじゃない。伝わらないなら何回でも何百回でも何万回だって言う。本気で杏奈が好きなんだ。」


さっきの昔話のせいか嬉しいからか分からない涙が静かに頬を伝う。


「なんで、快斗はいつもそんな優しいの?」


ずっと前にも同じようなセリフを言った気がする。