そんなこんなで1時間喋ろうにも窮屈で喋れず、ついに私の駅に着いてしまった。

「じゃあ快斗バイバイ。」

と手を振るといつもは振り返してくれてる快斗がシカト。

シカトというよりなんて言うか、意識がとんでるみたいな感じ。


それでもドアは閉まってしまうので急いで窮屈な電車から誰も人と当たらないホームに降りた。


ガタンゴトンと音を鳴らしながら電車が進んで、後ろには何もなくなるのがわかる。


改札口に向かおうと足を向けると腕をひかれる。


今日のことを思い出し、下半身は固まりながら振り返ると、

「えっ?!快斗!
どうしたの?」


もしかして、わざわざバイバイって言いに来てくれたとか?

でも快斗の表情を見るといつになく真剣な目をしていて少し怯えてしまうほどだった。