自分の足元を見渡すけど何も落ちてない。


「あっ、」


電車の中を見渡すと少し向こうの男性、というよりは男の子の足元にイヤホンが落ちてるのが分かった。


でも、男の子苦手だし喋りにくい。


でも、あれ、気づかないで降りちゃうと絶対見つけれなくなっちゃうよね。


でも、なんかチャラチャラしてるし。


でも、早くしないと踏まれちゃうかも。


でも……、

ぬぁー!でもでもって言い続けてるだけじゃだめだ!ちゃんと拾ってあげなきゃ!


大事なものかもしれないし!


覚悟を決めろ!風見杏奈!