「あっ、気づいてなかったんだ。」


その人は少し悲しそうな顔をして笑う。


「ほ、本当にご迷惑をお掛けしま」

急いで謝ろうとすると、


「俺が好きでした事なんだから謝らなくていいんだよ。っていうか怖かったよね、大丈夫?」

そう言葉を遮られた。


なんでそんなに優しくしてくれるのだろう。

不思議に思いつつ、笑顔で返事をする。

「大丈夫です。ありがとうございました。」


「そっちの方がいいよ。謝ってくれるより全然いい。」


そう呟いてくれた男の子の顔を見ながらもう1度ヘラッて笑うと、男の子は顔が赤く見えた。

この間もこんな感じだったような。

まぁいっか。


そう思い時計を見ると家に着いていたはずであった時間を過ぎていて慌てて帰ろうとする。


「あの、ほんとにありがとうございました。」