快斗はいつの間にか膝を立てて私を見上げていた。


「えっどうしたの?」


するとどこから出してきたのか黒い四角のボックスを縦に開ける。


「うっ、嘘っ?!」


意味がわかった途端涙がとどまること無く溢れてくる。


「風見杏奈さん。


いつも僕のことを自分のことのように、それよりも優先させてしまいそうなほど大切に扱ってくれてありがとうございます。

今までずっと守ってくれてたこんな俺ももう、社会人です。

今度は僕が杏奈を守りたい。




僕と結婚してくれますか?」


「こんな私ですが




よろしくお願いします。

うっ、ふぇ、」


「どんだけ泣いてんだよ、ほら、指輪、

手、出して。」


「うぅー、」

返事ができる状態じゃなくて手を黙って出す。


「うぅー、あ"り"がどう"ー。」


「もう、泣きやめって、俺までうつるじゃん、」


「だっでー、
ってか、快斗ももう泣いてんじゃんー、」


「杏奈が泣き止まないからー、」

指輪の大きさもぴったりで青空に照らしながら上を見る。


可愛いな、なんて呑気なことを思って。