「あと、お母様にご挨拶したいな。」

ふと思い出して快斗に真面目なトーンで話しかける。


「あっ、こっちだよ。」

少し悲しそうな笑顔を向けて案内してくれる。


仏壇は和室の部屋にあった。

すごく綺麗に掃除されていて、ここには快斗と快斗のお父さんの愛がいっぱい詰まっているんだろうなと感じた。



チンチーン

仏壇の前に正座して目をつぶり強く手を合わせる。


快斗のお母様。
こんにちは。はじめまして。
快斗くんとお付き合いさせていただいてる杏奈です。今後、よろしくお願いします。

快斗くんは御両親のためにすっごく頑張ってますよ。
バイトも学校も生活も。
快斗くんはいつもすごく私が不釣り合いなくらいいい方で、いつも私が子供で申し訳なくなるばかりです。
そんな彼を支えてあげられるような存在になりたいです。私じゃ足りない部分はいくらともなくあると思いますが、それでもそばにいたいです。

こんな私ですが応援していただけるとありがたいです。



「...んな、杏奈!」


「うぉ!」


「いつまで、手合わせてるんだよ。
ごはん食べよ。」

「うん。」