「快斗、今日はありがとうございました。
いつもあんなことしてるんだねー。
忙しくってびっくりした!

快斗?大丈夫?」



あまりにも長い沈黙に違和感を感じて顔を上げる。


「あぁ、うん。」


「ほんとに?」


もしかして、と思って背伸びして快斗の額と自分の額を手のひらで比べる。


「熱は、ないよ、ね。」


快斗の顔がみるみる赤くなって自分が無意識にしてしまったことを思い返す。


「あぁ、ごめん!」


「いや、別に、大丈夫だから。

ってか、ぼーっとしてたのは熱じゃないから。」


「じゃあ何?」


思わず喧嘩腰で聞いてしまう。

だって、ちゃんと言ってくれないんだもん。


いつから私、こんな欲深い面倒臭い女になったんだろう。

まぁ、きっと昔から実際はそうだったのかもしれないけれど、、隠してたのかな。


「ごめん、何もない。

あれ、快斗の家行きのバスじゃない?
今日はほんとにありがとう。

じゃあまた明日ね。」