「あのね、実は弁当を作ってきたんだけど。
その、迷惑だったら捨ててくれてもいいし、嫌いなものがあったら残して放ったらかしにしてくれてて良いから、えっと、今日は受け取ってほしいな。」


作ってきたとはいえ、嫌だったらどうしようとか色々不安が無いわけじゃなかった。


弁当を見せると後戻りできないのを今更自覚して、不安がよりいっそう増して断られるんじゃないかとか、迷惑じゃないかとか、手作り嫌いだったな、とか。すごい心配で心臓が破裂しそう。


いつまでも手に乗ってる重さが無くならなくて顔を上げる。


快斗を見ると魂が抜けたようにぽかんとしていた。


嫌だったのかな、やっぱりしなきゃ良かったかなってもう一度弁当を背中に隠そうとするとその手首の行動をさまたげられた。