「でも、杏奈に出会えて何ていうか、
自分の生きてる意味をこう、久しぶりに実感した、みたいな。」


目頭が熱くなって、涙が頬をつたうのが分かる。


「ありがとう。」

そう言って、涙を拭われる。


急に快斗の手が伸びてきて体がこわばったけど、
快斗の優しく、少し切なそうに微笑むそんな表情を見て自然と体がこわばるのをやめた。


「私、ちゃんと、絶対手伝うから。

だから、絶対大学に行ってね。

私にこんなこと言わせておいて恥をかかせないように、絶対に。

約束だから。」


机の上に手を差し出すと

快斗も手を出して小指を絡ませる。


「絶対とは言えないけど
約束するよ。」


そう言って二人同時に微笑んだ。