「えぇ?まじで?」


「そー。だから夏樹くんから聞いたんだ。」


「そっか、

部活はすごい好きだったよ。仲間も競技も全部。
だけど、バイトはしなきゃいけない事になって、名残惜しかったんだけどいやいや手放しちゃったって感じかな。

自分で言うのもなんだけど俺、エースだったし。

結構努力もして、やっとエースとして先輩に見てもらえた時期だったんだけど。」


なにか、声をかけなきゃいけないと分かっていても声が、出ない。


「神様を恨んだよ。なんで、あんなに楽しかった生活からこんなにも俺だけがどん底に突き落とされなきゃいけないんだよ、って。

杏奈に会うまではそうだったんだ。」


「えっ?」

自分の名前が急に出てきて、思わず声をもらす。


「杏菜に出会うまで、こんなに苦しい生活するならいっそ、母さんの世界に行きたいと思ってた。」

快斗がありえないことを口に出して目を見開く。


お母さんってことは……天国ってことだよね……。