悶々としながら私服に着替えて更衣室を出ると、なんと目の前には壁に寄りかかってスマホをいじっている高瀬がいた。
「あ、終わった?」
「うん!なにかあった?」
高瀬があがるのは1時間後だから、更衣室に来る用事はないはず…。
「実はやることないからもうあがっていいって、望月も入ったしさ」
ラッキーとピースサインをみせる高瀬。
……写真撮ってもいいですか。
「そーなんだ!よかったね!」
高瀬が嬉しそうで、こちらも何よりです。
「おー、でさ、もしよかったら途中まで一緒に帰らない?」
「うん!いいよ!一緒にかえ…」
…一緒に帰る!?!!?
え、今、私の耳がおかしくなければ、 高瀬は一緒に帰ろうって言った。
うそでしょおおおお!!
「で、どっちなの?」
腕を組んで私の顔を覗く高瀬。
はっ、完全に自分の世界に入っていた。
そんなの、答えはもちろん…
「一緒に帰る!」
そう言うと、高瀬はフッと優しい笑顔で
「ん、じゃあ外で待ってて」
と言った。