もう限界まで到達しようとしていたとき、やっぱりよく見えないねと言って、急に顔を離す高瀬。
ほっ…
とりあえずよかった…これ以上見られてたら私倒れてたかも……。
そんな安心感も束の間、声優なのかと思うほど可愛らしい声で高瀬を呼ぶ、私の最大の敵が現れた。
「かーいーとぉ!やっほぉ!」
か、川瀬乃々華!!!しかも名前呼び!!!
高瀬の好きな人一番の有力者が現れるとは…くそう!!!
「おお、どうした乃々華?」
……え、ちょっと待って、今乃々華って呼んだ?
呼んだ……よね?
え、二人って名前で呼び合う関係…なの?
「えぇ?快斗と一緒に回りたいなぁって思って」
「ああー、じゃあ後で回るか」
え、回っちゃうんだ。
どうしよう、それは困る。
「あ、七島、こいつの紹介遅れたな」
まってまってまって、ここで俺の彼女、とか言われたら死ぬんだけど。
やばい、心の準備できてないよ…!
「こいつ、俺の幼馴染」
え…おさななじみ?
「真奈ちゃんだよね?まだ話したことなかったよね!」
「あ、うん、そうだね!」
「こいつとは腐れ縁で保育園のときからの付き合いなんだ」
「そおそお!快斗とはずっと一緒だったの!」
ずっと…一緒か…私より何倍も高瀬のこと知ってる……乃々華ちゃん。
しかも、幼馴染とかフラグ立ちまくりじゃん…。