約束の時間を15分過ぎてやっと会場に到着した私。
「みんな遅れてごめん!!!」
「ほんと遅すぎなんだよあんた!」
と、凛は怒ってたけど、
クラスのみんなは優しいから、いいよって声をかけてくれた。
「じゃあ七島さんも集まったことだし!行きますか!」
おー!と言って歩き出すクラス一同。
みんなほんとにありがとう…。
そういえば、高瀬は…
「やっほ、七島」
この声は…!
声がする方を向くと、甚兵衛姿の高瀬が立っていた。
やばい、破壊力やばい。
高瀬、甚兵衛似合いすぎるよ!!!
かっこいい!!!
「た、高瀬!ごめんね?遅れて!」
「おーいいよいいよ、それより、七島今日雰囲気違くない?」
あ、気づいてくれた…!!
高瀬の好みっぽくしたんだけど、どう?
とか、聞いてみたいな…。
「う、うん!今日はメイクしてるから…」
そう言うと、どれどれ…と言って私の顔を覗き込んでくる高瀬。
ひゃ!ち、近い!
顔が…近いいいい!!!!
高瀬は、暗くてよく見えないとか言ってるけど、もう見えなくていいから!!!
近すぎて心臓やばいから!!!
だって、高瀬と私の顔の距離、10cmくらいだよ!?
もう高瀬の唇にしか目がいかない。
ぷるぷるで、私よりも潤っているその唇。
これこそ、キスしたくなる唇…。
だ、だめよ、真奈!
高瀬とのキスなんて想像しちゃ!
高瀬が汚れちゃうでしょうが!
必死に頭の中で考えていることを消す。